南島考古学の研究者で熊本のみならず九州考古学界の牽引者三島格先生とお会いしたのは、先生が1973年初代の福岡市歴史資料館長をなさっている時でした。1977年11月20日「第6回 南島史学会沖縄大会」に参加した際にフーネ遺跡から出土した爪形文、指押文(爪形文と指頭圧痕文)などの有紋土器資料を持参し三島格先生を初め多和田真淳先生、新田重清先生、沖縄県教育委員会文化課の多くの先生方に見てもらった。また三島先生から時々電話があり、八重山の考古学についての現況をお話し、親しくさせて頂いた。大先生なのに私を気遣って下さった。先生から依頼された宝貝の拓本が『南島考古学』に記載されている。また台湾へ行きたいとお話したところ、「台湾大学の考古学者 宋文熏先生、連照美先生、考古学者の劉茂源先生、台南市の考古学研究者の郭徳鈴先生方にお会いしなさい」とご助言を頂き便宜をはかって下さいました。そのお陰で台湾踏査は円滑に行うことができた。三島格『貝をめぐる考古学ー南島考古学一視点』(発行:学生社/1977年)、三島格『南島文化叢書10 南島考古学ー南島、大和および華南・台湾ー』(発行:第一書房/1989年)などは南島研究の必読書である。三島格先生の写真は肥後考古学記念事業会『交流の考古学ー三島格会長古希記念 肥後考古学 6号』(発行:肥後考古学会/1991年)から掲載した。